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無線設備規則<第4弾> スプリアス ~
                                                                               参考: 無線設備規則 <第1弾> ~周波数の許容偏差
                                                                                        無線設備規則 <第2弾> ~占有周波数帯幅~
                                             無線設備規則 <第3弾> ~隣接チャネル漏えい電力~


無線設備規則は、周波数、占有周波数帯幅、スプリアス発射、空中線電力、隣接チャネル漏えい電力など無線設備等に関する条件を規定する総務省令です。

4弾では、スプリアス発射等についてご紹介します。(注:無線設備の証明規則等の測定項目では「スプリアス発射又は不要発射の強度」と記載されていますが、通称としてスプリアス発射等と記載します。)

私たちの身の回りには携帯電話、パソコン、テレビ放送、ラジオ、消防/列車/警察など公共業務無線、気象/船舶/航空/車載のレーダーなど多種多様な無線が存在します。

これらの無線設備はそれぞれ利用してよい周波数帯/チャネルが割り当てられており、国内では電波法に基づき総務省が周波数管理を行なっています。

自身が利用してよい周波数帯/チャネルに正しく電波を飛ばすのはかまいませんが、他の周波数帯に電波が漏れてしまうと、その周波数帯で通信している無線設備の邪魔をすることになります。

このように他の無線設備の通信に迷惑をかけないようにスプリアス発射等が規定されています。

つまり本来利用する電波とは別に、意図せずに放射している電波のことを示します。ノイズというとわかりやすいかもしれません。図1は「音」のノイズ(騒音)のイメージです。「音」は耳で聞いて認識できますが、「電波」は五感で認識できないので測定器で評価する必要があります。


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1ノイズ(騒音)のイメージ

スプリアス発射等とは?

あらためてスプリアス発射等とはなんでしょうか?
電波法施行規則 第二条 抜粋には下記のように記載されています。
この記載によると、スプリアス発射は「スプリアス領域」だけを示しています。「帯域外領域」の帯域外発射を合わせて「不要発射」と呼ぶ方が正しいのですが、通称として「スプリアス」「スプリアス発射」と呼ばれているケースが多いです。

「スプリアス発射」とは、必要周波数帯外における一又は二以上の周波数の電波の発射であって、そのレベルを情報の伝送に影響を与えないで低減することができるものをいい、高調波発射、低調波発射、寄生発射及び相互変調積を含み、帯域外発射を含まないものとする。
「帯域外発射」
とは、必要周波数帯に近接する周波数の電波の発射で情報の伝送のための変調の過程において生ずるものをいう。

「不要発射」とは、スプリアス発射及び帯域外発射をいう。

「スプリアス領域」とは帯域外領域の外側のスプリアス発射が支配的な周波数帯をいう。

「帯域外領域」とは、必要周波数帯の外側の帯域外発射が支配的な周波数帯をいう。

                                                                                                                                                          引用:電波法施行規則 第二条 抜粋


202012測定のツボ図2.png

2:スプリアス測定の周波数範囲イメージ


スプリアス発射等は、前述のとおり本来利用する電波とは別に意図せずに発射する信号(=不要発射)なので、どこに現れるかわかりません。そのため、図
2のように測定対象の周波数範囲や測定条件などが総務省の無線設備規則や証明規則などで決まっています。




202012測定のツボ図3.png

3:スプリアス発射等の測定画面イメージ


電波は目では確認できないので、一般的にはスペクトラムアナライザを使って図
3のような画面で確認します。スペクトラムアナライザは、周波数(横軸)ごとの電力(縦軸)を表示する測定器です。
不要発射が大きすぎると、その周波数を利用している無線機器が正常に通信できなくなる可能性があります。きちんと測定して、お互いに迷惑をかけないようにしましょう。



★もう少し詳しい解説はコチラ

 

電波法のスプリアス測定の基礎


第1弾:新スプリアス規格ってなに? 旧規格との違いは?


第2弾:スぺクトラムアナライザのカタログスペックにある位相雑音とは?


第3弾:スプリアス規格改定で定義された「下限/上限周波数」と「BN」とは?


第4弾:スプリアス規格改定で定義された「帯域外領域」と「スプリアス領域」とは?


第5弾:スプリアス測定時の参照帯域幅とは?




※上記載内容は2020年12月1日現在のものです。



無線設備規則の一つであるスプリアス発射。
新スプリアス規格へ対応したスペクトラムアナライザのご紹介
                 

 

旧スプリアス規格の無線設備の使用期限は20221130日まででしたが、

新型コロナウイルス感染症による影響を考慮して、20218月に無線設備規則の一部を改正する

省令などが見直されて、その使用期限が「当分の間」延長されました。

一方で、コロナウイルス終息後には移行期限が再検討される可能性もありますので、

新スプリアス規格へ対応する無線設備は増えているようです。


 新スプリアス規格対応、狭帯域無線スプリアス測定可能なスペクトラムアナライザ


◆ 好評テクニカルノート:
 「狭帯域化・ディジタル化に伴う無線機器の測定に対応するスペクトラムアナライザ」



◆ お問い合わせ先
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アンリツ株式会社 通信計測カンパニー グローバルセールスセンター 通信計測営業本部 第1営業推進部

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