無線設備規則<第1弾> ~ 周波数の許容偏差 ~
周波数の許容偏差とは?
無線設備規則は、周波数、占有周波数帯幅、隣接チャネル漏えい電力、スプリアス発射、空中線電力など無線設備等に関する条件を規定する総務省令です。
第1弾では、周波数の許容偏差についてご紹介します。
無線設備の割り当て周波数:
まず無線設備の周波数とは何でしょうか?
私たちの身の回りには携帯電話/スマートフォン、パソコン(無線LAN/Bluetooth)、テレビ放送、AM/FMラジオ、消防/列車/警察など公共業務無線、気象/船舶/航空/車載のレーダーなど多種多様な無線が存在します。
これらの無線設備が同じ周波数を利用すると、お互いに邪魔をして正常に通信できなくなります。そのため、それぞれの無線設備には利用してよい周波数帯が割り当てられています。(図1)さらに複数の機器が同じ時間に利用できるようにチャネルも分けているケースもあります。自身が利用してよい周波数を「割り当て周波数」と言います。
国内では電波法に基づき総務省が周波数管理を行なっています。
図1:周波数帯ごとの無線設備
(引用:総務省 電波利用ホームページ 「周波数帯ごとの主な用途と電波の特徴」より)
周波数の許容偏差:
無線設備は一般的に送信側と受信側の機器で通信するために、お互いの周波数を合わせる必要があります。理想的には送信側と受信側が完全に同じ周波数であることが望ましいですが、実際には誤差があります。
そこでお互いに通信できる周波数の誤差範囲として「周波数の許容偏差」が規定されています。
さらに、自身の周波数帯/チャネルのすぐ隣には別の機器が通信しているので、隣に迷惑をかけないという意味でも重要な仕様です。
「周波数の許容偏差」は、送信側の特性として規定されています。
図2:割り当て周波数と許容偏差のイメージ
測定器に求められる確度:
周波数の偏差を評価する際に、測定器の誤差が大きいと測定結果の誤差も大きくなります。
そのため、一般的に測定器は「周波数の許容偏差」の10倍の確度が求められます。評価に利用する測定器の確度をカタログやデータシートで確認してから利用するようにしましょう。
図3:測定に求められる確度(イメージ図)
※本記載内容は2020年9月1日現在のものです。
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