新スプリアス規格ってなに? 旧規格との違いは?
無線関連のお仕事をされている方にとって、"スプリアス"という単語は、あまりいい響きがしない方が多いと思います。
日本語に訳すと、無線の世界では一般的に、"不要波"と呼ばれます。文字通り"不要"な信号であり、
その測定を行うことも「面倒臭い」と思われる方が多いのではないでしょうか?
一般的な無線機は、ある特定の周波数が割り当てられて、その周波数で送信したり
受信したりできるように設計されますが、無線機内部の回路の構成等が原因で、
その周波数以外の成分が無線機の外に出てしまう、これをスプリアスと呼び、
電波法では、ある一定レベル
(①無線機の出力レベルからの相対値(dB) &/or ②スプリアスレベルの絶対値(uW))
まで下げることが求められています。
図1:スプリアスのイメージ図(スペクトラムアナライザの測定イメージ)
(画像はクリックして拡大可能)
このスプリアスに関して、WRC(世界無線通信会議)において不必要な電波をできる限り低減させるために
RR(無線通信規則)の改正を行いました。この改正を踏まえて、日本国内においては
平成17年(2005年)12月1日よりスプリアスに対する新たな許容値が適用されました。
これが新スプリアス規格と呼ばれているものになります。
この許容値の運用に関して、経過措置として旧スプリアス規則に基づいた無線機の使用期限が
平成34年11月30日までとなっており、その5年前である今年平成29年11月30日までが
旧スプリアス規則に基づく免許等を行うことが可能となっております。
図2:旧スプリアス⇒新スプリアスへの経過措置
総務省HPより抜粋<http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/others/spurious/files/newpfrt.pdf>
(画像はクリックして拡大可能)
この新スプリアス規格のポイントだけ説明すると、以下の2点となります。
1)実使用状態(実際の変調がかかっている状態)でスプリアス測定を実施。⇒旧スプリアス規則は、無変調状態。
2)ただし、使用する中心周波数の周辺(必要周波数帯幅の2.5倍程度)を①帯域外領域、その外を②スプリアス領域と
定義して、①の範囲は無変調にて測定します。(②の範囲は、変調状態)
この①の測定には、アナログFMの無線機(F3E)などのスペックが非常に厳しく、位相雑音性能の良い
スペクトラムアナライザが必要になってきています。
図3:帯域外領域、スプリアス領域の定義
(画像はクリックして拡大可能)
※本記載内容は2017年9月1日現在のものです。
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