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 5G通信の先にも繋がる光回線「WDM」って何?(光ファイバ通信の基礎その6)
   

光ファイバ通信の基礎その1はこちら
光ファイバ通信の基礎その2はこちら
光ファイバ通信の基礎その3はこちら
光ファイバ通信の基礎その4はこちら
▶光ファイバ通信の基礎その5はこちら


最近では5G対応スマートフォン(以下スマホ)で高速なサービスを利用できるようになっています。スマホは無線で通信していますが、その先がどうなっているか気になったことはありませんか?
スマホは基地局とよばれるアンテナと繋がって、その先は光回線で様々なサーバ、インターネット、さらには海外へと繋がっているのです。
では、スマホのデータも高速になり、これらが集約される光ファイバは大量のデータを処理しているのだから沢山の光回線が必要になるのでは?と思う方や、高速化しているから大丈夫では?という方もいるかと思いますが、それでも足ないところでは波長多重(WDM)という技術が使われています。
波長多重では字のごとく、一本の光ファイバ中に数十~数百の波長の光を通し、それぞれに信号を乗せることにより波長数倍の大容量のデータを送ることができるようになっています。


(1)波長多重の構成と通信方法
6-1を見ながらWDM通信の仕組みを見ていきましょう。
送信側はDFBLDを常時発光しながら、その先の変調器で光を減衰させたり、透過させたりして0と1の信号を作って送ります。
LDの波長を変えて複数のチャネルを用意し、合波器で1本の光ファイバに集約して伝送します。
受信側では分波器で波長ごとに信号を分離して各受信器で復調します。
これで、1本のファイバで波長数倍の信号を送受信できるのです。例えば100波長準備すれば、100倍の信号を1本のファイバで伝送できます。

202110測定のツボ図6-1.png


図6-1 WDM通信の接続例


(2)なぜ変調器が必要なのか?
ここで、0と1の信号をLDをオン/オフして信号を作ればもっと簡単にできるのではと思った方もいるでしょうか。
変調器で信号を作るのは、高速の長距離伝送でエラーが発生しないようにするための工夫なのです。
エラーの原因はLDの波長ずれと光ファイバの分散です。

(3)LDのスペクトラム広がり
以前のLDの動作で説明したように、LDに電流を流すと、自己発熱で共振器長が変わり、波長がズレます。
1の信号を作るために電流を流し始めたときと、0に戻すために電流を止める直前までの間で、微小ではありますが波長がドリフトしていくため、波長が広がったようなパルス信号になります。

(4)光ファイバの分散
6-2のように、光ファイバには波長の違いにより早く進んだり遅く進んだりする現象が発生します。これが波長分散です。



202110測定のツボ図6-2.png
図6-2 波長分散


このような光ファイバに波長が変動するような信号を入れると、図6-3のように受信側で1の信号が広がって隣のタイミングにずれ込んでエラーが発生するのです。


202110測定のツボ図6-3.png
図6-3 波長分散による波形ひずみ



(5)光増幅器
また、このWDM信号を長距離で伝送するために、以前は各波長の信号を電気に変換して増幅したあと光に変換して送るという3R中継器が使われてました。しかし、現在では光で光を増幅するEDFAErbium Doped Fiber Amplifier)で各波長の光を一括で増幅できるようになりました。
特に、海底ケーブルではこれらの技術が使われて、海外との通信&通話がスムーズに行われています。



                                                                                         ※本記載内容は2021年10月1日現在のものです。

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