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光ファイバ通信の仕組みってどうなってるの?(光ファイバ通信の基礎その1)
   

 皆さんの身近にある光ファイバ通信ですが、同軸ケーブルに比べ、より高速に、より遠くまで、より省スペースで、より安価に通信できるという様々なメリットがあります。
光ファイバ通信は図1-1のように、
 ・信号を光で送る発光素子であるレーザーダイオード(LD
 ・光の伝送経路である光ファイバ
 ・光信号を電気に変える受光素子であるフォトダイオード(PD
で構成されています。
この光通信の三大要素が開発されたのは、光通信元年とされている1970年で、半世紀ほど前の話ですから、驚きですね。

光通信は光を点灯、消灯で10の信号を送るというシンプルな方法です。
光ファイバは高い周波数の信号を歪なく送る事ができるので、この点滅を高速にできれば大容量の信号を送る事ができるということで、高速化が進んできました。


202104測定のツボ図1-1.png

1-1 光ファイバ通信の基本構成と変調方式


ここからは、三大要素の一つである光ファイバについて見ていきます。

(1)光ファイバの種類
        光通信用に使われている石英系のファイバは図1-2のようにマルチモード(MM)とシングルモード(SM)があります。
        マルチモードには光が通るコアの屈折率分布の形状によりステップインデックス・マルチモード(SI)とグレート
   インデックス・マルチモード(GI)がありますが、光通信では主にGIタイプが使われています。
         近年ではSMファイバが一般に使われてますが、古い回線やデーターセンタ内などの短距離回線ではGIファイバも
   使われています。
GIファイバは図1-2のように、外側に大きく弧を描くように伝わったり、中心側を小さな弧を
   描くように伝わったり、複数のモードで信号が伝わっていきます。
この伝播モードの違いにより信号の進む距離が
   変わり、高速な信号は歪みやすくなります。
そのため、GIファイバでは高速な信号を長距離伝送する事ができません。
   それに比べてSMファイバは中心を真っ直ぐ一つのモードで伝わっていきます。これにより、GIファイバのような
   伝播モードの差異による歪はほとんどなく、高速な長距離伝送に適しています。
        このように、用途に応じて最適なファイバが使われています。

202104測定のツボ図1-2.png

1-2 光ファイバの種類


(2)伝送損失が少ないというメリット
   光ファイバのメリットの一つに伝送損失が小さいという特性があるため、信号を遠くまで送る事ができます。
   これにより、途中で信号を増幅する装置や設備を少なくすることができます。近年では信号を増幅することなく
   100km近くも送れるようになったようです。
   ただし図1-3のように、使用する波長によって伝送損失が異なるので、用途によって使う波長が選ばれています。
   GIファイバで良く使われる波長帯は850nm1300nmSMファイバでは1310nm1550nm帯が使われています。
   光ファイバの伝送損失(dB/km)は波長が長くなると小さくなるという特性があります。
   一方、伝送装置で使われる光源の価格は一般的に短波長側が安いので、用途や性能によって最適な波長が使われています。
   例えば、データセンター内の通信は短距離で数が多く安価な装置が求められるので850nm帯が使われています。
   また、局間通信は数が少ないですが、長距離伝送が求められるので1550nm帯が使われています。
   更に図1-3の青丸部分の通り、1550nm帯は伝送損失が平坦であるため、複数の波長で信号を送る波長多重通信も使われて
   いる波長帯です。

202104測定のツボ図1-3.png

1-3 光ファイバの伝送損失特性


(3)取り扱いに注意が必要
   このように光ファイバは非常に低損失で伝送できるというメリットがありますが、取り扱い方によっては通信障害を
   起こすような大きな損失や断線が起こるため、注意が必要です。
例えば、踏んだり、引っ張ったり、曲げたりすると
   損失が発生する事があります。光ファイバは石英ガラスと呼ばれるガラスですからそれを考えると自ずと理解できますね。
   また、光ファイバは図1-4のように非常に狭いところを光が通っているため、コネクタ接続や融着接続で軸がズレると
   そこで損失が発生します。
SMファイバでは光が通るコアの直径が10μm程度です。10μmの長さをイメージできますか?
   1mmの1/100の中を光が通っているのです。接続するにはこの10μmの直径をズレが無いように軸を合わせなければ
   なりません。どうやって合わせるのか疑問に思った方はコネクタや融着機を作っているメーカへ確認してみてください。

202104測定のツボ図1-4.png

  1-4 光ファイバの構造



                                                                                          ※本記載内容は2021年4月1日現在のものです。


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光ファイバの伝送損失や距離測定、断線箇所の検出、あるいは融着接続やメカニカルスプライス、コネクタ接続などの接続損失や反射量(反射減衰量、リターンロス)を評価する測定器がOTDROptical Time Domain Reflectometer)です。
OTDRは、光パルス試験器やロケータとも呼ばれ、光ファイバの敷設工事や保守工事のときに使用されます。
アンリツは、10 m以下の光ファイバの断線位置検出用OTDRから200 kmを超える長距離光ファイバや 1 km を超える海底ケーブルの測定・解析用OTDRまで、多彩なラインアップを取り揃えています。

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タッチスクリーン対応のOTDR MT9085シリーズ
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アンリツ株式会社 通信計測カンパニー グローバルセールスセンター 通信計測営業本部 第1営業推進部

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