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同軸コネクタの寸法と運用周波数のお話


                       参考:同軸コネクタの取り扱いについてはこちら(2017年6月号)

                       →「デリケートな同軸コネクタ、正しくケアできていますか?」


同軸コネクタでよく呼ばれるNやSMAと異なり、「3.5mmコネクタ」や「1.85mmコネクタ」などコネクタの名称を

数字で記載されているのを目にしませんか?

今回は同軸コネクタの寸法と嵌合性、運用周波数に関するお話です。


この「3.5mm」や「1.85mm」は図1にあるように同軸コネクタの「導体内径寸法」を表記したもので、

一般的にこの「導体内径寸法」が小さいほど運用できる周波数は高くなります。

また、名称が異なると嵌合しないと思っている方がたくさんいらっしゃいますが、

「導体内径寸法」が異なる同軸コネクタであっても「中心導体部」の径が同じ、もしくは、その差が小さいものは

嵌合し使用することが出来ます。互いに嵌合可能な同軸コネクタについては、表1を参照してください。



図1 同軸コネクタのイメージ図


201911測定のツボ_図1.png

(画像はクリックして拡大可能)




表1 同軸コネクタと運用周波数


201911測定のツボ_表1.png

(画像はクリックして拡大可能)




図2 同軸コネクタのあれこれ


201911測定のツボ_図2.png

(画像はクリックして拡大可能)



名称が異なる同軸コネクタ同士を嵌合させる場合には注意点があります。

[使用出来る例]

1) 電気的特性の性能保証は低い方の上限周波数までになります。例えば、SMA(~22 GHz)と

   3.5 mm(~26.5 GHz)を嵌合させた場合の性能保証は、~22 GHzになります。

[使用出来ない例]

1) Nコネクタの場合、[50Ωタイプ(N)]と[75Ωタイプ(NC)]の 「外径」は同じですが、「中心導体部」の径は異なります。

    もし50Ω(太い)オスと75Ω(細い)メスを結合させると75Ω側の中心ピンを破損、いわゆる「花が開く」状態に

    なってしまい、使用出来なくなります(図3参照)。

2) BNCコネクタの場合、機械的には嵌合性があり一見使用出来るように思えますが、[50Ωタイプ]と[75Ωタイプ]で

    インピーダンス特性に違いがあることに注意が必要です。(具体的にはレベル低下などが発生します。)



図3 正常な同軸コネクタ(左)と花が開いて中心ピンが破損した状態の同軸コネクタ(右)


201911測定のツボ_図3.png

(画像はクリックして拡大可能)



嵌合しない同軸コネクタ同士は変換アダプタを使って結合することができますが、

名称が異なる同軸コネクタでも嵌合出来る同軸コネクタがありますので、ぜひ覚えておいてください。

(注)精密測定を行う場合は、同じ名称同士の同軸コネクタを結合してください。




(▼ちょっとレベルアップのおまけ▼)


◆周波数範囲が広い同軸コネクタとそのメリット

周波数範囲が広い同軸コネクタとして「0.8 mmコネクタ」(DC~145 GHz)があります。

仮に70 GHzの無線装置を評価する場合、スプリアス測定は2倍の140 GHzまで測定する必要があります。

一般的にミリ波だと「導波管」を用いた測定をイメージされる方もいらっしゃると思われますが、

導波管毎に使用できる周波数には制限があります。そのため70 GHz~140 GHzを切れ目なく測定するには

3つの導波管を付け替えて何度も測定する必要があり、測定の手間がかかるだけでなく精度にも影響が出てしまいます。

一方で0.8mmコネクタは、周波数範囲が広いという特長から測定系を変える必要がなく、

導波管のデメリットを補う存在として期待されています。


201911測定のツボ_図4.png

(画像はクリックして拡大可能)





※本記載内容は2019年11月1日現在のものです。 





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◆  43.5 GHzまで性能保証するKコネクタ製品のご紹介

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Extended-KTMタイプのコネクタ、コンポーネント、ベクトルネットワークアナライザを使用することで、

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アンリツ株式会社 通信計測カンパニー グローバルセールスセンター 通信計測営業本部 第1営業推進部

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