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地デジが映らないのはナゼ? -後編-

前編はこちら

前編では、地上デジタル放送(以下、地デジ放送)の視聴(受信)障害事例①「電波の遮断や遅延」と障害事例②「古いテレビ視聴設備(アンテナやブースタ)と携帯電話」を取り上げました。後編の今回は、障害事例③「国内の他の地域から到来する電波干渉」と障害事例④「隣国等から到来する電波干渉」のケースについて取り上げます。


障害事例③ 国内の他の地域から到来する電波干渉
地デジ放送は、SFNSingle Frequency Network)と呼ばれるネットワーク形態を採用していて、同じ周波数を他の地域でも使用しているため、例えば能登半島と新潟などの様に地理的に近い地域の場合、干渉が発生する事があるようです。

202103測定のツボ図1.png                 
                   出典:総務省ウェブサイト(pdfが開きます)

                

SFNは、周波数の有効利用を目的とした複数の中継局が同じチャンネルを使用して放送します。
地デジ放送では、同じ番組を同一チャンネルで放送する複数の局からの電波が一定の遅延時間(126μs=経路差に換算すると約38km以下)以内の範囲で到達した場合には受信可能ですが、より遠い場所から飛来したり、何かに反射してから到達する電波はその許容遅延時間の範囲を超え、受信障害を与える妨害波となります。

  

障害事例④ 隣国等からの到来する電波干渉

九州北部や山口県では隣国から飛来する電波の影響で混信が発生することがあります。その他、フェージング(電波が送信点から受信点まで届く間に起きる反射などが影響して電波の強さなどが時間的に影響を受ける現象)が原因で障害が発生する場合があるようです。

202103測定のツボ図2.png

                     出典:総務省ウェブサイト(pdfが開きます)


次に事例③や事例④のような障害に対して、弊社測定器(スペクトラムアナライザ MS2712E)の地デジ放送解析機能を利用した測定例をご紹介します。                                                                                                                                                                                                             


障害事例の測定③ 国内の他の地域から到来する電波干渉

SFN



202103測定のツボ図3.png

        

左図では、電波塔から直接受信する                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    主要波と電波塔から発信された電波が
何かに反射することで遅れて到達する
遅延波を捕らえています。
ここでは、おおよそ50μ秒程度遅れて
到来している信号が観測されています。

                                   (クリック拡大)
(「ISDB-T SFN 電測ソフトウェア」(オプション32)の機能です)



障害事例の測定④ 隣国等からの到来する電波干渉

信号解析(サブキャリアMER


妨害/干渉波形
202103測定のツボ図4.png
          (クリック拡大)
 

サブキャリアMERを確認することで、同じチャンネル帯域内のノイズや妨害波、干渉信号の有無を判断することができます。

 チャンネル帯域内にノイズや妨害/干渉信号が存在すると波形として表示します。

MERは、デジタルテレビ放送の信号品質を数値化したもので、放送視聴の受信状態を把握するのに有効な数値です。)

このように、MS2712Eの地上デジタル放送解析機能を利用することで放送波の品質確認を効率的に行う事ができます。


                                                                                          ※本記載内容は2021年3月1日現在のものです。



◆ 今回ご紹介した測定画面はこの測定器を使用しています。

地上デジタルテレビ放送の信号品質(フィールド測定)に。

202102測定のツボ図7.png

MS271xE ISDB-T解析オプション付きスペクトラムアナライザ

アンリツでは、地上デジタルテレビ放送開始初期からハンドヘルドタイプの計測器を販売しており、地上デジタルテレビ放送の発展に貢献してきました。
現在はMS2712Eというモデルが、デジタル放送専用の信号解析機能を継承しており、フィールドでの測定用途に活躍しています。

yajirushi_2.png 【リーフレット】ISDB-T解析オプション、マイク波回線の登録点検、保守



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アンリツ株式会社 通信計測カンパニー グローバルセールスセンター 通信計測営業本部 第1営業推進部

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