Skip to main content
sokutei.jpg
     

デリケートな同軸コネクタ、正しくケアできていますか? その2

      ~ コネクタは消耗品!摩耗に注意 ~




アンリツの新入社員が先輩から必ず指導されることの一つに同軸コネクタの締め付け方があります。

計測器を取り扱う際、同軸コネクタの接続によって測定値にバラつきが起きてしまう場合があるからです。


2017年6月号でご紹介した「デリケートな同軸コネクタ、正しくケアできていますか?」では、

コネクタの重要性やメンテナンスについて解説させていただきました。

今回は、この中で繰り返し使われている言葉 「摩耗」 について、詳しくご説明します。


同軸コネクタには通常、オス(Male)コネクタとメス(Female)コネクタがあります。

メスコネクタの中心導体は、図1のように金属のパイプ状で90度間隔にスリットが設けられています。


図1.メスコネクタの中心導体

202003測定のツボ_図1.png

(画像はクリックして拡大可能)



このスリットは、オスコネクタの中心導体と嵌合する際に一定の圧力を与えられるように

図2のように作られています。


図2 スリットを横からみたイメージ

202003測定のツボ_図2.png


(画像はクリックして拡大可能)


同軸コネクタの嵌合で オスとメスの中心導体が軸方向に正しく真っ直ぐに差し込まれる理想的な状態でも

一定の摩擦が生じます。使用するたびに嵌合を繰り返すことで摩耗による損傷は徐々に大きくなっていきます。

この摩耗による損傷が測定値に大きく影響する事をご想像いただければと思います。

また70GHzや110GHzなどの高周波まで使用できるコネクタの中心導体は、

直径が僅か0.2mm程度と非常に細く、摩耗の影響が大きくなりますので取り扱いには特に注意が必要です。


この摩耗を加速させてしまう一番の原因が、「誤ったコネクタの脱着方法」にあります。

「誤ったコネクタの脱着方法」とは、同軸コネクタをドリルのように回転しながら行うような場合、

言い換えればコネクタ全体をねじりながら行う方法です。


このような誤った操作を避けるには、オスコネクタのナット部分(図3)だけを回して行います。

オスコネクタの軸の部分(図3)を回してしまうと中心導体が回転してしまい摩耗し易くなります。

必ずナットを回しましょう。


図3 コネクタ脱着時の保持位置


202003測定のツボ_図3.png




また、ケーブル同士を接続する場合も同じ考え方で、メス側は指やレンチで保持するだけにして、

オス側のナットを回して脱着します。


今回は「誤ったコネクタの脱着方法」が同軸コネクタの「摩耗」を加速させてしまう、というお話をさせていただきました。

同軸コネクタは消耗品ですが、ちょっとした注意で長持ちさせることができるようになります。

この機会に取り扱い方法を見直してみてはいかがでしょうか。




-------------------------------------------

 最後に、確認クイズです!

-------------------------------------------


問題:同軸コネクタの脱着方法で正しいものは1~4のどれでしょう? 


202003測定のツボ_Quiz.png


1. オス側とメス側のケーブルを持って回す

2. オスとメスのコネクタ部分を両方回す

3. オス側は指やレンチで保持するだけにして、メス側だけを回す

4. メス側は指やレンチで保持するだけにして、オス側のナットを回す



正解者の中から10名様にアンリツ特製「真空2重構造ステンレスタンブラー330ml」を差し上げます。


ツボQpresent.png


*当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。

  回答時に会社名、部署名、氏名、郵便番号、住所、電話番号のご記入をお忘れなく。

  回答とともに今後のコラムで取り上げて欲しいテーマのリクエストやご感想なども添えていただけると幸いです。


クイズの回答を送る   終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。


締め切り2020年4月17日(金)。みなさまの回答お待ちしております。



※本記載内容は2020年3月1日現在のものです。 





 【 ご紹介 】                                   


◆  43.5 GHzまで性能保証するKコネクタ製品のご紹介

  K、2.92mm、3.5mm、SMAと嵌合するExtended-KTMコネクタ


Extended-KTMタイプのコネクタ、コンポーネント、ベクトルネットワークアナライザを使用することで、

43.5GHzまでトレーサビリティが取れた測定環境を実現します。


Extended-KTMコネクタ製品を使用するメリット

・ コストの削減、テスト環境間での互換性の向上

   40 GHzを超えて43.5GHzまでの性能保証は、Vまたは2.4mmコネクタのような高価で使用頻度の低い

   コネクタへ移行せずに、これまで使用したKコネクタの 測定環境を使い続けることができます。
   Vコネクタを使用したデバイスでは、V-K変換コネクタを使用することで測定系を構築できます。
・ CAL精度の向上

   CALキットに添付される.s1pデータをVNAに読み込むことでソースマッチ・ロードマッチが格段に向上した 測定環境を実現します。

   

  

  

201911測定のツボ_ShockLine.png

yajirushi.png
Sパラメータ測定、タイムドメイン解析に小型で低価格なベクトルネットワークアナライザ






◆ お問い合わせ先
――――――――――――――――――――――――――――――――――

アンリツ株式会社 通信計測カンパニー グローバルセールスセンター 通信計測営業本部 第1営業推進部

Mail_inquiry.png




-