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スぺクトラムアナライザで電界強度の測定って?

 

                    関連記事→電界強度の求め方(dBμV/m:単位についてのお話その3)」20182月)




1. はじめに


電界強度とは、無線設備から放出された電波の強度が特定の場所でどの程度届いているかを示す度合で、

単位では、dBμV/mが用いられます。

特性(アンテナ係数)の明らかなアンテナを使用して、そのアンテナに誘起された「電圧」を受信機で測定します。

従来、一般的に電界強度測定には専用の電界強度測定器を用いて測定してきましたが、

スぺクトラムアナライザ(以下、スペアナ)のレベル設定が、電力(dBm)表示の他に電圧(dBμV)や

電界強度(dBμV/m)の選択ができるようになっているため、スペアナで電界強度測定をする機会が増えてきています。


スペアナで電界強度測定をする場合、構造の違いを理解して測定する必要があります。


201901測定のツボ_図1.png

(画像はクリックして拡大可能)




2. 電界強度測定器とスペアナの構造の違い


電界強度測定器とスペアナの大きな構造の違いは、電界強度測定器の入力部にプリセレクタが実装されていますが、

スペアナは、プリセレクタを実装されていない構造となっていることです。


・電界強度測定器のブロック図


201901測定のツボ_図2.png

(画像はクリックして拡大可能)



電界強度測定器に実装されているプリセレクタとは、帯域通過フィルタ(バンドパスフィルタ等)のことで、

測定対象信号を抽出し、それ以外の信号を減衰させることを目的としています。


201901測定のツボ_図3.png

(画像はクリックして拡大可能)


スペアナで信号を測定する場合、入力部にプリセレクタが実装されていないため、

測定帯域外の大きな信号が入力されていると、内部で信号が歪んでしまい測定に影響を与える可能性があります。

このような場合、スペアナにバンドパスフィルタやローパスフィルタ、またはハイパスフィルタを接続して、

影響がある信号を減衰させて測定します。 



3. まとめ


今回は、電界強度測定器とスペアナの違いを説明しました。

アンリツのMS2720TやMS271XEシリーズのスペクトラムマスタには、標準的なアンテナのアンテナ係数が登録されており、

それを読み出すことで電界強度測定ができます。

また、測定に使用した設定条件を測定器へ保存し、以降はその設定を読み出すことで、同じ測定を繰り返し行えます。

このようにスペクトラムマスタは電界強度をスムーズに測定するための機能を持った測定器です。

電界強度測定器との違いを理解していただき、スペクトラムマスタの電界強度測定をお試しいただけたら幸いです。


201901測定のツボ_図4.png

(画像はクリックして拡大可能)





 ※本記載内容は2019年1月1日現在のものです。


関連記事→電界強度の求め方(dBμV/m:単位についてのお話その3)」20182月)





     【 もっと詳しく知りたい方 】


◆  コラムの内容をさらに詳しく

 「電界強度測定器とスぺクトラムアナライザ」 

      yajirushi.png リーフレットはこちら(直接PDFが開きます)


◆ 関連リーフレット

  「ハンドヘルドスぺクトラムアナライザを使用した電界強度測定」 (測定例)

  yajirushi.png
リーフレットはこちら(直接PDFが開きます)


  「スぺクトラムアナライザを使用した 中波帯の電界強度測定のご紹介」 

  yajirushi.png
リーフレットはこちら(直接PDFが開きます)



◆ お問い合わせ先
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アンリツ株式会社 通信計測カンパニー グローバルセールスセンター 通信計測営業本部 第1営業推進部

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