誤差要因の考え方と計算の仕方
(ネットワークアナライザの伝送/反射特性の測定誤差 その2)
→ 関連記事:「校正しても誤差は残るの?」(その1)
コラムその1で、伝送/反射特性に大きく影響を与える3つの誤差要因(システムマチック誤差)があるとお話しました。
・反射特性には、方向性
・伝送特性には、ソースマッチとロードマッチ
では、それぞれの測定項目における誤差要因の考え方、誤差の計算の仕方を検討しましょう。
1. 反射測定における誤差の考え方
下の図1中のExが、測定したい被測定物の反射特性の値です。
またEdは方向性の誤差成分となります。
つまりこの方向性が校正にてどの程度改善できるか、が測定誤差に影響を与えます。
図1
(画像はクリックして拡大可能)
図1では反射損失20dB(VSWR=1.22、反射係数=0.1)の被測定物を
35dB(反射係数=0.0178)の方向性に改善されたネットワークアナライザで測定した場合の誤差を計算しています。
被測定物の特性である20dBと方向性誤差35dBを計算する場合には、反射係数に変換して計算します。
その結果、約±1.5dB程度(+1.7dBから-1.4dB)の誤差範囲となります。
もし校正で方向性が30dB(反射係数=0.0316)までしか改善出来ないと、
上記の計算に当てはめると約±3dB程度の誤差に拡大することになります。
方向性の改善には、通常のSOLT校正の場合は使用する終端器の性能が重要となります。
2. 伝送測定における誤差の考え方
下図は、伝送特性を測定する際の誤差の考え方と計算の仕方を示しています。
前に述べたように伝送特性の場合は、ソースマッチとロードマッチという測定器の測定端子(テストポート)の特性が、
校正でどの程度改善されたかが重要となります。
特に図中のような低損失の被測定物の場合には注意が必要です。
(画像はクリックして拡大可能)
図中ではソースマッチが校正により20dB(反射損失)まで改善された場合と、
35dB(反射損失)まで改善された場合の測定誤差範囲が明記されています。
15dBの改善で誤差の割合が約1/10になります。
※本記載内容は2018年5月1日現在のものです。
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