校正しても誤差は残るの?
(ネットワークアナライザの伝送/反射特性の測定誤差 その1)
測定には誤差がつきものであることは皆さん理解されていることと思います。
たとえばパワーメータの場合、センサーの感度や周波数特性、メータの読み取りなどが誤差となります。
しかし、ネットワークアナライザ(以下ネットアナ)の場合は相対測定のために測定前に校正作業を行います。
多くの人が勘違いされていたり、よく聞かれる質問があります。
“ネットアナは校正を行った後に測定しているので、誤差は無いよね?”
結論は…
『校正を行った後でも測定における誤差は少なからず存在する!!』
です。
ネットアナによる測定の校正(誤差補正)は、以下のように定義されています。
『伝送/反射の振幅と位相の基準(0dB/0度)および正規化インピーダンスの基準(通常50Ω)を定義して、
伝送/反射特性の測定誤差を出来るだけ小さくするために行うもの(誤差補正)。』
つまり誤差要因を「100%除去するのが校正」では無くて、「影響を出来るだけ小さくすることが校正」ということです。
また、この誤差補正で補正が可能なものと不可能なものが存在します。(下図参照)
(画像はクリックして拡大可能)
システムマチック誤差の影響を出来るだけ少なくするために行うのが 「ネットアナの測定前校正作業」 ですので、
誤差は少なからず存在することになります。
ランダム誤差要因は、測定の再現性など長期的に影響を与え安定した測定を行うためには重要なアイテムになります。
今回のコラムで取り上げる、伝送/反射特性に大きく影響を与える誤差要因は赤枠で囲われた3つの要因です。
・反射特性には、方向性
・伝送特性には、ソースマッチとロードマッチ
下図に誤差要因を図解で示します。
(画像はクリックして拡大可能)
それぞれの測定項目における誤差要因の考え方、誤差の計算の仕方につきましては、次回コラム「その2」でご説明させていただきます。
※本記載内容は2018年4月1日現在のものです。
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