BER(ビット誤り率)って、どうやって測るの?
(→ 関連記事:通信デバイスの開発製造に必須! "BERT" とは?)
1. BERTの原理
BERTの測定システムを図に示します。まず、PPG(Pulse Pattern Generator パターン発生器)から
DUT(被測定物)へビット列をインプットします(①)。
DUTを通ったビット列は、DUTの特性を受けて変化します(②)。
PPGからはED(Error Detector 誤り検出器)へクロック(③)が供給され、PPGとEDでは同期を取り、
DUTからのEDへインプットされたビット列と①のPPG出力を比較してDUT信号のエラーを計測します(④)。
図では、30個のPPGからのビット列出力に対し、エラー(1→0,0→1)が4個発生したため、エラーレートは4/30で1.3E-1となっています。
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2. 送信信号 PRBS
PPGからDUTへ送られるビット列ですが、PRBS(Pesudo Randam Binary Sequence)が使われます。
全くランダムなパターン信号は、ED側でも予測が不可能ですので、ランダムな信号でありながらも、ED側でビット列が明確であることが必要です。
PRBS信号は図にありますように、単純なシフトレジスタ、生成式が既知なので、ランダムなビット列でありながらビット列は明確です。
PPGとEDで同じPRBSビット列データを利用することで、DUTを通したPRBS信号とED内部で生成したPRBSビット列を比較し
エラーレートを評価することができます。
PRBSはnの数が大きいほど、複雑かつ長いビット列になりDUTのより厳しいエラー耐力試験ができるようになります。
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3. クロックデータリカバリ
測定対象によってはビット列からクロックを再生する機能CDR(クロックデータリカバリ)を持つものがあります。
CDR機能を評価するため、上記PRBSパターンの端を連続して0ビットとすることで、送信ビット列からのCDRの“0”ビット連続耐力を評価します。
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4. 伝送システムでのBERT
測定対象がPON, SDH/SONET, Etherなどの伝送システムの場合、フレームを含めた評価が必要になってきます。
このような場合には、BERTは図に示したようにPRGM(Programmable Data)パターンという
ユーザ自身がフレーム自体を作成、編集することができるため、より実際の使用環境を想定した状況での性能評価が可能となります。
(画像はクリックして拡大可能)
BERTは今日の高速光通信システムの各種デバイスの性能、品質向上に欠かせない測定器で、通信システムを陰で支えています。
※本記載内容は2017年7月1日現在のものです。
【 製品紹介 】 |
MP2110A BERTWaveは、
25G帯の光モジュール/デバイスの製造に適した測定器で、
BERTとサンプリングオシロスコープを一筐体に組込むことができます。
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