
CCDFとは?

このCCDF、例えて言うなら「モグラ叩き」のモグラのようなものです。
皆さんも遊んだことがあるかと思いますが、モグラ叩きでは、モグラが不規則に地面から顔を出します。
顔を出したかと思えばすぐ引っ込んでしまいます、顔を出している間にモグラを叩けば得点できるゲームです。
ゲーム中にモグラが顔を出す確率がCCDFに相当します。

実際の通信で使用する変調信号ではモグラが変調信号の大きさ(電力)になります。
モグラ叩きではモグラが顔を出す地面の高さは一定ですが、変調信号では特定の信号電力を決めて、変調信号の瞬間的電力がこの特定の信号電力より大きくなる確率を求めます。
特定の信号電力を変化させて、信号電力と確率をグラフにしたのがCCDFグラフになります。
CCDFグラフの横軸は電力ですが、平均電力を基準(0dB)とした相対値で表します。
横軸の左端、開始位置は0dBつまり平均電力になります。平均電力からどのくらい大きいかを表します。
縦軸は確率になります。%でなく単なる比率で表します。
また対数表示にすることでグラフにしたときに0.01や0.001など小さな変化を見やすくしています。
このCCDFグラフの見方として、例えば、横軸11dBでの縦軸が0.002とした場合、無線信号の瞬間的電力が「平均電力+11dB」より大きくなる確率が「0.002(0.2%)」になると言うことです。
通信で使用する信号には情報を送るために変調がかかっています。
変調により信号の電力は瞬間的に変動します。通信で使用する機器の内部回路では扱える信号の電力が決まっています。
限度を超える電力が内部回路に入ってきた場合、信号の形を変形させる歪が発生して通信品質を低下させます。
通信に使用する信号の電力は決められた範囲内に収まっていることをこのCCDFグラフで確認します。
また、CCDFグラフはリアルタイムに測定でき、信号の絶対電力には直接関係しません。
アンプなどの入出力があるデバイスで、入力信号と出力信号のCCDFグラフを比較することによりデバイス内で発生する歪の評価に使用することができます。

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■ 最後に、確認クイズです!
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問題:CCDFをモグラ叩きに例えた場合、グラフの縦軸についての正しい説明は1~3のどれでしょう?
1.ゲーム中にモグラが顔を出す ”確率” がCCDFグラフの縦軸に相当する。
2.ゲーム中にモグラが顔を出す ”回数” がCCDFグラフの縦軸に相当する。
3.ゲーム中にモグラが顔を出す ”時間” がCCDFグラフの縦軸に相当する。
正解者の中から10名様にアンリツ特製「真空2重構造ステンレスタンブラー330ml」を差し上げます。


*当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。
ご回答の際、今後のコラムで取り上げて欲しいテーマやご感想なども添えていただけると幸いです。
※本記載内容は2021年12月1日現在のものです。
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