プリアンプでよりレベルの低い信号を測定してみよう
~仕組みと使用方法~
プリアンプは、前置増幅器と言われ、一般的には受信機等の前に設置し、小さいレベルの信号を増幅するためものです。
スペクトラムアナライザ(以下、スペアナ)でプリアンプを内蔵している機種がありますが、測定したい信号を増幅する機能は同じです。
しかしスペアナは入力コネクタ端での信号レベルを測定する計測器ですので、プリアンプをONにしたからといって
測定値が変わってしまっては正しい測定になりません。そのためスペアナの内部ではプリアンプをONにすると、
その増幅度(ゲイン)を補正して測定結果がプリアンプOFF時と変わらないようにレベル補正をして表示します。
図1 Preamp=Off
(画像はクリックして拡大可能)
図2 Preamp=On
(画像はクリックして拡大可能)
またプリアンプは、スペアナ自体のNF(Noise Figure:雑音指数)を改善する目的でも使用されるので、
スペアナの測定下限レベルである平均雑音レベルを改善します。
もう少しわかりやすく言うと、プリアンプを入れることで “よりレベルの低い信号が測定できる” ようになります。
図3 より低いレベルが測定できるようになる例
(画像はクリックして拡大可能)
但し、気を付けていただきたいのは、プリアンプはレベルの高い信号を入れると歪みやすい性質がありますので、
その場合にはプリアンプは ”Off” してください。
※本記載内容は2016年12月1日現在のものです。