このデータのビットレートはいくつ? 単位についてのお話 その4
ディジタル通信の分野で、
「ビットレートはいくつ?」
「100メガです。」とか「10ギガです。」
というようなやり取りを、耳にします。
この100メガや10ギガの値にはどのような意味があり、またどのような単位を用いるのでしょうか。
今回はビットレートについて、お話します。
ビットレートとは、単位時間あたりに伝送または処理できるデータの量、すなわちビット数のことで、
例えば、通信回線の伝送速度やデータの処理速度を表すときに用いられる言葉です
単位として、ビット・パー・セカンド(bits per second)を意味する「bps」や「bits/s」、「b/s」などを用います。
例えば「100メガ」は、100Mbpsの略で、1秒間に100M(1億)ビットのデータを伝送または処理できることを意味します。
また、ここに出てくるビットとは、データや転送される情報量の最小単位のことで、一般的に「0」と「1」の2つの数値で表されます。
実際は、信号の電圧レベルを切り替えてLowとHighの状態を作ることで、「0」と「1」を表現し、
その「0」と「1」を組み合わせることで、様々なデータを作ることが可能となります。
図1:データの例
では、この図1に示すデータのビットレートはいくつでしょう?
残念ながら、この波形を見ただけでは、単位時間にやり取りされるデータの量がわからないため、ビットレートを知ることはできません。
実は、データのビットレートは、クロック信号と呼ばれる基準信号により決定されます。
クロック信号とは、データ伝送を正しく行うための基準となる信号のことで、LowとHighの1組で1周期をなしており、
機器内の様々な回路やデバイス間の同期をとるための重要な役割を担っています。
また、クロック信号が1秒間に発生する数をクロック周波数と呼び、この値が高ければ高いほど、
単位時間にこなせる仕事量が増えることとなり、データの処理速度が速くなります。
このクロック周波数の単位はHzで示され、1秒間のクロック信号の数が100M個(1億個)であれば100MHz、
10G個(100億個)だと10GHzとなります。
図1のような0 or 1を伝送する際は、このクロック周波数がビットレートとなります。
実際のデータ送信を例に簡単に説明します。
実際のディジタル通信では、クロック信号の立ち上がりあるいは立ち下がりのタイミングに合わせて、
所望のデータ信号を送信し始め、クロック1周期分その状態を維持します。
図2、図3はクロック周波数が100MHzおよび200MHz、立ち上がりで同じデータを送ったときの例を、それぞれ示します。
2つの図を比較してみると、見た目が同じデータ信号でも、クロック周波数によって出力されるデータの数が異なるため、
ビットレートが違うことがわかると思います。
図2:クロック周波数100MHzの場合
図3:クロック周波数200MHzの場合
以上のように、ビットレートはクロック周波数によって決まります。
そして注意点として、データ信号とクロック信号は、ペアで取り扱わないとデータが間違って伝わってしまいます。
クロック周波数Hzとビットレートbpsの意味や関係を理解した上で、正しく使い分けましょう。
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■ 最後に、確認クイズです!
図2、図3と同じデータ信号で、クロック信号を400MHzに設定した時、どういうビットデータが送られるでしょう?
正解者の中から抽選で5名様にアンリツ特製「真空ステンレスタンブラー」を差し上げます。
*当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。
回答時に会社名、部署名、氏名、郵便番号、住所、電話番号のご記入をお忘れなく。
回答とともに今後のコラムで取り上げて欲しいテーマのリクエストやご感想なども添えていただけると幸いです。
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締め切り2019年7月12日(金)。みなさまの回答お待ちしております。
※本記載内容は2019年6月1日現在のものです。
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