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スぺクトラムアナライザの減衰器とは?

 

スペクトラムアナライザ(以下、スペアナ)で設定する減衰器(Attenuator)は、測定する信号のレベルを調整して、

スペアナの性能をフルに活用するために使われます。減衰器なので、レベルを下げる目的で使われますが、

この設定が適切でないと、スペアナ内部にて歪みが発生して誤った結果を表示したり、最悪、入力回路が壊れてしまう場合があります。

図1は、減衰器の設定不足で、スペアナ内部にて歪みが発生している例です。


 図1 ミキサ過入力によるひずみ

 201611mmATT1.png

    (画像はクリックして拡大可能)

 

では、減衰器の設定をあらかじめ、大きな減衰量に設定しておけば安全で問題無いのでは?と思われるかもしれませんが、

減衰量が大き過ぎると、図2のようにノイズレベルが上昇して、レベルの低い信号が測定できなくなってしまいます。

図2は全て同じ信号を測定しており、減衰器の値を20dB~50dBまで10dBステップで設定した画面です。

測定信号のレベルは変わっていませんが、減衰量を増やせばノイズフロアが上がってくるので、測定できる範囲が狭くなってきます。


 図2

 201611mmATT2.png 

  (画像はクリックして拡大可能)

 

では、「減衰器はどのように設定すればよいか?」ということですが、一般的な使い方としては、

”Reference Level”を設定していただければ、そのReference Levelに応じて、減衰器の値を自動的に設定してくれます。

Reference Levelは、測定する信号のレベルに合わせて設定していただくパラメータですので、測定する信号のレベルに合わせて、

減衰器を自動設定してくれる、ということになります。(図3)

 

 図3 適切なATTによる正しい波形

 201611mmATT3.png

   (画像はクリックして拡大可能) 


また、一般的なスペアナの最大入力レベルは+30dBmのものが多いですが、これを超えるレベルの信号を測定される際には、

スペアナの外部に別の減衰器を使用する必要があります。この場合も使用する減衰量に応じて、ノイズレベルが上昇しますので、

適正な減衰量の減衰器を追加するようにします。スペアナ内部の減衰器はその減衰量が変わっても自動的に補正されるので、

測定値に影響はありませんが、外部に減衰器を追加した場合には、その減衰量をレベル補正値として入力する必要があります。

そうすると、外部の減衰器込の測定値を直読することができるようになります。

参考に図4は外付け減衰器30dBを使用して、レベル補正値を30dBに設定した画面です。

 

 図4 レベル補正値(オフセット)を入力した画面。直読可能。

 201611mmATT4.png

   (画像はクリックして拡大可能)



記載内容は2016年111日現在のものです。



◆ お問い合わせ先
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アンリツ株式会社 通信計測カンパニー グローバルセールスセンター 通信計測営業本部 第1営業推進部

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