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□■  大切な測定器を壊さないために…シリーズ ■□


静電気放電(ESD)や 過電圧(EOS)による ”うっかり破壊!” 起きていませんか?



乾燥した冬の季節だけでなく、夏でも起こるあのイヤな静電気。

測定器にとっては、思わぬ故障を引き起こす厄介な現象です。

ご存知のように、電子機器および測定器などで使用されている電子部品は、“静電気放電”または“過電圧”によって、

高い電圧が印加されると壊れることがあり、その取扱いには注意が必要です。

 

本コラムでは “静電気放電” および “過電圧” を防止するための作業環境や測定器の取扱いについて、

般的な方法や注意点をご紹介します。

 

作業者、設備や機械、作業環境、管理システムや管理方法などを変更した後は特に注意が必要です。

 

※静電気放電は、Electro Static Dischargeの略でESDと呼ばれます。

過電圧は、Electrical Over Stressの略でEOSと呼ばれます。




1. 測定環境を整える


201808測定のツボ図1.png

(画像はクリックして拡大可能)



【人への対策】

・ 導電仕様の作業服、手袋、靴、リストストラップ等を用います。

・ リストストラップは、人体への帯電を防止します。また内蔵された1MΩの電流制限抵抗により

  人体への放電電流を少なくすることができるため、作業者の感電を防止することにも役立ちます。

 

【環境への対策】

GNDに接続した導電マットを使用します。

・ 湿度計を用いて正しい湿度管理をします。湿度は静電気の発生以外にも影響しますので、

   目安として40%60%程度を推奨します。

・ 恒温槽などの消費電力の高い設備を評価系と同一のコンセントや配電盤ラインに繋げると、

   機器のOn/Off時に電源経由で電源変動が発生します。それにより評価系の入出力にサージ電圧が発生し、

   DUT(被測定物)および測定器にダメージを与えることがあります。配電盤を分けるなどの対策をしてください。

 

【物への対策】

・ 静電気対策工具、シールドバッグ、導電エアキャップ、導電コンテナ等の静電気対策品をご使用ください。

 


★ヒヤリハット! ~ つい、やってしまう失敗事例 ~

① トイレや休憩でいつの間にか開始時間!慌ててリストストラップを付け忘れ!

② リストストラップは付けたが、元のGNDが繋がっていない!

③ 「ちょっと教えて」 と静電対策をしていない営業さんが現場に乱入!

④ 入口の粘着マットの交換忘れで、導電靴の汚れが取り切れていなかった!

 

ESD/EOSための対策方法

  ・ 作業場には注意を促す表示板を立てたり、始業前にはリストストラップがきちんと機能しているかどうかを

   静電テスタで確認するなど、定期的かつ定量的なチェックを実施しましょう。

・ 導電マットや作業服が汚れていると、静電対策の効果が低下してしまいます。

  導電マットや導電靴の汚れ、粘着マットの交換などにも気を付けましょう。

 

2. DUT(被測定物)や測定器を配置・接続する際の注意

201808測定のツボ2.png

(画像はクリックして拡大可能)



・ 測定器の定格電圧範囲を確認し、その範囲内の信号を入力してください。

・ 全ての機器をGND線で接地(アース)します。電源はFrame Groundを使用してGNDに接続してください。

3極コンセント、またグランド配線により、GNDを共通化します。3極に2極の変換アダプタをつけている場合、

  ESD/EOS対策の際は、変換アダプタを外してください。

 

201808測定のツボ図3.png



 

下記のような操作時は特にサージ電圧が発生しやすいので、注意が必要です。

DUTへの電源のOn/Offを、電源に繋いだコネクタジャックの挿抜や外部スイッチにより行う。(Power On/Off

・ 電源が入ったままの状態でデバイスやケーブルを挿抜する(DUT Hot Swap

・ プローブを使用してDUTや評価回路を測定する(作業ミスによる電気系のショート)

 


★ヒヤリハット! ~ つい、やってしまう失敗事例 ~

① 測定器の保管中にうっかり中心導体(芯線)を触って静電気で壊しちゃった!

② 3極コンセントなのに2極アダプタが付いていた!

③ 2極プラグの半田ごてや電動ドライバを使っていた!

 

ESD/EOSための対策方法

  ・ 測定器の保管中は入出力コネクタに終端器をつけておくと、中心導体をうっかり触わることが無くなります。

   ・ 2極アダプタや2極の電動工具は作業現場へ持ち込まないようにしましょう。

   ・ 電源コンセントは3極コンセントまたはGND端子が付いたコンセントに変更し、

   確実にGND接続されているか定期的にチェックしましょう。

 

今回のポイント:

夏は湿気があるから大丈夫・・・作業はいつもやって慣れている・・・そこに落とし穴。

そんな油断で大事な測定器を壊さないように、対策はどうぞ万全に。



さらに詳しく確認したい方はこちら

▶ アプリケーションノート「ESD/EOSによる故障をなくすための測定環境対策」2017/3/30

(直接PDFファイルが開きます。)



 ※本記載内容は2018年8月1日現在のものです。


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■ 最後に、確認クイズです!
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問題:ESD/EOSのための対策として、正しいものは1~3のどれでしょう?

1.  作業場には注意を促す表示板を立てたり、始業前にはリストストラップがきちんと機能しているかどうかを
     静電テスタで確認するなど、定期的かつ定量的なチェックを実施しましょう。
2.  2極アダプタや2極の電動工具の使用を推進しましょう。
3.  夏は湿気があるから大丈夫。冬の乾燥している時期だけ対策を行いましょう。

正解者の中から10名様にアンリツロゴ入り「真空2重構造ステンレスタンブラー330ml」を差し上げます。

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*当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。

  ご回答の際、今後のコラムで取り上げて欲しいテーマやご感想なども添えていただけると幸いです。


応募〆切:2024年1月12日(金)皆様の回答お待ちしております。



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