スぺクトラムアナライザのRBWとは?
スペクトラムアナライザ(以下、スペアナ)を使った測定を行うには、いろいろな設定パラメータを設定する必要があります。
数ある設定の中でも特にRBWは、”設定は出来るが、何を設定しているのかわからない。”という一番理解しづらい設定項目のひとつです。
そのため、使用されているお客さまからの質問も一番多いものです。
というのも、このRBWを変更すると画面の波形(測定結果)が変わってしまい、何を設定したら良いか、困ってしまうからだと思います。
下図は、同じ測定信号を異なるRBW(3種類)で測定した場合の測定結果ですが、
見てお分かりのように表示している信号の帯域幅が全く異なっています。
RBW 10kHz RBW 100kHz RBW 1MHz
(各画像はクリックして拡大可能)
RBWとは、Resolution Band Widthの略で、日本語では“分解能帯域幅”と言い、
これを変更することで測定周波数の分解能を変えることができます。
「何故、RBWを変えると測定結果が変わって見えるか?」、の詳細説明は今回、割愛しますが、
一般的にRBWを大きくすると、測定画面の結果も広い帯域に見えて、RBWを小さくすると、測定結果も狭く見えるようになります。
これは、スペアナとしては、正しい動作をしていますが、測定器の設定次第で結果が変わってしまうのが厄介ですよね?
では、どのように設定すれば良いのか、ですが、これは測定される方の目的・用途により、
主に2つのケースに分けて使い分けていただくことになります。
その1:ルールに基づいた試験の場合
スペアナを使用する用途で、よく使われるのは、ルールに基づいた試験、すなわち、電波法に基づいた試験でよく使われます。
その各種試験を行う際に使われるスペアナの設定パラメータは、厳密に規定され、特にRBWは、数値で指定されます。
この際には、有無を言わさず規定されたRBWで測定しないと、ルールに基づいた試験ではなくなってしまうので、気を付けてください。
その2:測定したデータ同士を比較する場合
スペアナは、無線機などの動作状況を調べるために、毎時間、毎日、毎週、毎年など定期的に測定されることがあります。
電気機器の開発部門の方であれば、回路の抵抗、コンデンサの値を変えたりして、結果を比較することはよくありますよね。
このようにあるデータとあるデータを比較する際には、このスペアナの設定パラメータを同じにして測定する必要があり、
特にこのRBWの値は、影響が大きいパラメータですので、同じ値で測定する必要があります。
そうしないと、測定したデータが変化したのか、異なるRBWで測定したためにデータが変化したのか、見極めることができません。
いかがでしょうか?
RBWに関しては、他にもいろいろなワンポイント知識がありますが、まずは、上記した点に注意して、RBWを使ってみませんか?
※本記載内容は2016年10月1日現在のものです。
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