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SLDに関するFAQ

SLDに関してお客様からよくある質問をFAQとしてまとめました。

構成

Q. SLDに使用されている光ファイバはシングルモードファイバ(SMF)、マルチモードファイバ(MMF)、偏波保持ファイバ(PMF)のいずれでしょうか。また、そのファイバ特性を教えて下さい。

一般的にはSMFですが、PMFも選択できます。例えば、短波SLDモジュールではカットオフ波長730 nm、モードフィールド径850 nmで5.0 umのものを使用しています。

Q. 円筒モジュールにペルチェ素子(TEC)は内蔵できますか。

TECサイズの関係で内蔵は困難です。温調が必要な場合はバタフライモジュールをご検討ください。

Q. 光アイソレータは内蔵されていますか。

長波SLDには全機種光アイソレータが内蔵されています。
0.8 µm帯 短波SLDは適応する光アイソレータのサイズと挿入損失の問題により内蔵が困難です。

Q. 空間への光放射パターンはLDのように楕円ですか。非点収差もあるでしょうか。

0.8µm帯 SLDでは楕円、1 µm帯 SLDでは円形に近い楕円形状で発光します。
水平と垂直方向の発光点にずれが生じる非点収差は、発光層幅が広い素子の場合で顕著になります。当社製品では光ファイバ結合前提に構造設計されており非点収差は無いか、ほとんど無視できる程度と考えています。

Q. ユニット製品は全波長帯に対応できますか。

現在のラインアップとしては短波SLDのみですが、長波SLDでのご要望がございましたらお問い合わせください。

出力

Q. 出力光は片側だけから出射されるのでしょうか。

光は実際には両方向に伝搬しており後方端面からも光が出射します。

Q. LD、SLD、LEDで輝度の差はどのぐらいですか。

光出力はLDは数100 mW、SLDは数10 mW、LEDで数mW程度であり、おおよそ各10倍程度の差があります。
LDとSLDの発光部の面積は概ね同じなので、輝度の差も出力差と同程度になります。LEDは発光面積が広いため輝度はずっと下がります。

スペクトル

Q. 複数のSLDを合波使用する場合の注意点について教えてください。

各SLD出力スペクトルのレベルバランス調整、合波カプラも含めたファイバ長制御、および各光学部品からの反射抑制などに配慮する必要があります。当社でも0.8 µm帯の2つのSLDを重ね合わせたドライブ付きユニットの実績がございますのでお問い合わせください。

Q. 0.8 µmSLDにおいて、スペクトル形状が半値幅が14 nmと50 nmの製品で違うのはなぜですか。

スペクトル半値幅が14 nmのSLDはFOGや電流センサなど一般センシング用途の製品です。50 nm製品は中心波長の異なる2種類の発光層を設け双峰性のスペクトル形状とすることで、帯域が広くなるように設計されたOCT(光断層干渉計)用で、高分解能測定が期待できます。

Q. 1.4 um帯製品がラインナップされていないのはアプリケーションがないからでしょうか、または技術的な問題があるでしょうか。

1.4µm帯は光ファイバの伝送損失が大きくなるため光通信でもあまり使用されていないうえ、アプリケーションもありません。技術的な問題はなく製造はできます。

コヒーレンス

Q. 空間コヒーレンスと時間コヒーレンスの違いは何ですか。SLDが高いのはどちらのコヒーレンスですか。

長距離を伝搬しても広がり難く、小さい領域に集光できるのが高い空間コヒーレンスで、異なる時間に発生した光でも干渉するのが高い時間コヒーレンスです。SLDはLEDに比べて空間的コヒーレンスが高く、光ファイバへ高効率で結合することができます。時間コヒーレンスは低いため干渉計側における高分解能が実現できます。

Q. LEDの発光面積を小さくすれば、空間コヒーレンスが向上してファイバ結合できますか。

限られたエリアからの発光だけが光ファイバの小さな領域に結合できるため、発光面積が広いうえ指向性が低いLEDの結合効率は良くありません。発光面積を小さくすると結合効率としては改善しますが、光ファイバ出力としてはあまり変わりません。面積当たりの強度である輝度が上がれば光ファイバ出力は向上します。

信頼性

Q. 推定寿命時間と使用温度にはどのような相関がありますか。

使用温度と寿命の関係は下記アレニウスの式に基づいて算出できます。
  アレニウスの式
 ML:メジアン寿命、k:ボルツマン定数、A:定数、T:絶対温度
活性化エネルギーEaはTelcordia GR468-COREに準拠し0.4eVを用いています。
詳細はお問い合わせください

Q. 劣化する時にはどのような振る舞いが見られますか。また、劣化させないための注意事項を教えてください。

SLDの劣化モードには発光端面が突然破壊するCOD劣化 、活性領域の結晶が劣化する結晶欠陥、および外部反射光による後端面損傷などがあります。これを防ぐには、「サージ電流を入れない」、「戻り光を抑える」、「絶対最大定格を超えない」等にご留意ください。特に0.8 µmの製品はデリケートなため取扱いには細心の注意が必要になります。

アプリケーション

Q. データ通信への応用例はありますか。

SLDはLDと比較して変調周波数が低いうえ、波長帯域が広く伝送中に波長分散の影響を受けます。このため通信分野でSLDを使用するメリットは高くないと考えられています。しかしながら空間光で使う短距離通信用途、例えば室内の天井にSLDを設置してセキュアでアイセーフな光通信用光源として使うことは検討されました。SLDは干渉ノイズが無く、本目的では安定した通信品質が確認されたことが報告されています。

Q. OCTシステムを構成する場合、光源としてSLDとLEDのどちらを使うのが適切でしょうか。それぞれの長所・短所を教えてください。

LEDはSLDに比べてファイバ出力が低いため、ファイバ干渉計を構成するとS/N比が劣ります。また空間コヒーレンスも低く、空間光構成の干渉計でも分解能が低下します。LEDは低コストで構成できる利点はあるものの、性能的には明らかにSLDが優れているといえます。

Q. OCT(光干渉断層計)の分解能数µmとAFM(原子間力顕微鏡)の数nmの違いはどこからきますか。

両者は測定原理が全く異なっており、AFMでは探針と呼ばれる先端半径数nmのプローブ位置をSLDとセンサで検出しています。一方OCTは光源波長とスペクトル線幅で分解能が決まる干渉計測の1つで、SLD光源ではその精度は数μmとなります。

Q. 光ファイバセンサに主に使用される波長はどこでしょうか。また、対応可能な波長を教えてください。

SLDの中心波長には光ファイバジャイロ用では分解能が高い0.8µm帯が、コストが重視される用途では光学部品類が低コストで入手可能な1.3、1.55 µmの通信波長帯が多く使用されます。技術的には0.8~2µm程度まで対応できます。具体的なアプリケーションがあればお問い合わせください。

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